「責任もってやります」
「責任とります」
などと、ビジネスの場では往々にして「責任」という言葉が飛び交う。
また、責任=辞める事、辞職、辞任など(江戸時代で言えば切腹)というイメージがある。
しかし、ビジネスの世界での「責任」とは辞める事であろうか?
仮に自宅で水漏れがあり、水道屋さんに来てもらった時
その水道屋さんの責任ある対応ってどういう対応だろうか?
現場を見に来た人は
①まずニーズをしっかりキャッチし間違っていないか確認する
②現状を素人にわかりやすく説明する
③今日対応できるのか、今日でなければいつになるのかとその理由を説明する
④どれぐらいの費用でできるのかまたそれは応急処置なのかそうでないのか
これら①~④をまず明確にし、お客様と合意を形成する。
そして修理から完成、集金の際に至っては
⑤応急処置の場合、今後どれぐらい持つ見込みか
⑥機器の取り換えの場合、どれぐらいのコストがかかるのか
⑦受領した金額とおつりの金額の口頭での確認、領収書の確実な手渡し
などなど、
全て明確に相手の意向を確認し、こちらの事情や状況なども踏まえて今後の見通しを説明し、相手の同意を得て、見通しと変わりのない成果を提供し、最後に料金受領なども明確に明朗にする、という一連のプロセスを一件一件、丁寧にすることではないだろうか。
凍結などによる水道管破裂が多発していて、多忙を極める時もあろうが、それでも必要なプロセスが抜けると
「いい加減な業者」
「感じ悪い」
「悪徳」
などと、残念な評価をマーケットから頂く事になる。
ましてや、そういう多忙なタイミングでない状況で、いい加減な対応をしていたら本格的な工事や、紹介なども見込めない。悪評だけ立ち、何も得るものはない。
そいういう状況に陥った場合、お店をたたんでしまう事が「責任を取る」という事になるのだろうか。極めて無責任であると田端は考える。
常々責任を持った仕事をする、という事は
自分の「主観」の範囲でとどまらず
「相手の意向」等をしっかりと客観的に把握し、
「明確に」期日や、料金など説明の必要な事は説明し、合意の形成が必要な事は合意を形成し、
その合意の通り仕事を進め、万一見込み違いが生じた場合は、即座にリスケ等を連絡する、といった「依頼者が満足する事」に終始フォーカスする事が、責任ある対応ではないだろうか。自分が満足することが仕事ではない。
自分が満足するのは「お客様の感謝」があって、反射的に満足するものである。
しかしながら、
自分の主観で、相手のニーズを決めつけ、
自分の見通しで仕事の期限を決め相手に伝えず(もしくは合意を得ず)
自分のペースで仕事を進めて、
仮に、期限に間に合わなかった場合や相手と何らかの齟齬が生じていた場合は、叱られて終わり、という仕事のスタンス・受け方では、
とても「責任をもって仕事を受けている」とは言えない。自己満足の延長線上の仕事である。
無責任な仕事の進め方は止めて欲しいものである。