表題の件であるが、現在10月締めを実施している企業が多く、
どうすれば良いか、という質問が多そうなので下記に考え方というか率の
求め方を整理し記載しておく。


参考として頂きたい。


今まで発注側(以下 甲と記載する)11,000円(内1,000円消費税)を支払っていたとする。

しかしながら
10/1から、受注側(以下 乙と記載する)がインボイス対応していないので、上記消費税の
全額は払えない場合、経過措置で80%は仕入税額控除が認められる部分を支払って、
甲が負担すべき20%を先方に負担してもらうという場合、実際何パーセントを対価に
上乗せして支払うべきか、という問題が出てくる。


では厳密に計算して本体価格が10,000円の場合、甲はいくら支払えばよいのか。

今回の例(本体価格10,000円)の場合、今までの消費税額である1,000円の20%は甲が損を
するので対価の総額から差し引くという合意がなされたとすると下記の通りとなる。


以下計算過程
↓↓↓

当事者間でいったん総支払額は
10,800円という暫定値がはじき出される。

しかし、
この10,800円で甲は消費税額をまず計算するので
実際の仮払消費税額は

10,800×10/110≒981円とはじき出される。

要するに、本体価格9,819円と消費税額981円の合計で10,800円となる。


その981円の消費税の80%は経過措置で甲は仕入税額控除できるので

981円×20%≒196円が甲の、乙がインボイス未対応の場合の消費税の実負担金額となる。

よって
税込み11,000円であった乙がインボイス対応していない場合、甲はどう払えばよいか
という答えは

10,804円払えば甲は80%仕入税額控除が認められるうちは損得なしという事になる。

10,804円×10/110×0.2≒196円=甲の消費税負担増加額

(本体価格9822円+仮払消費税額982円=10,804円)


よって
804/10,000→8.04%を元々の本体価格10,000円に乗せれば、経過措置期間で80%の
仕入税額控除が甲側で認められるので、乙がインボイス方式未対応の場合の甲が乙に
支払うべき対価の額が計算できる。

再度整理すると、、、
インボイス制度導入までは甲は乙に対して税込みで11,000円を支払っていた場合

10月1日以降の実際支払金額は→10,000+10,000×8.04%=10,804円・・・①

甲の消費税負担増→10,804円×10/110×0.2=196円・・・②

①+②=11,000円

となる。

よって、元々の本体価格に対してすべからく8.04%を上乗せして支払えば一応当面は辻褄?が合う、ということになる。