さて、3回にわたって探聞資料に関する思い出話を綴らせて頂きましたが、
今回は、最もオーソドックスな調査の際に収集される一般資料に関しての
思い出話を書き綴りたいと思います。
調査官が調査に来ると必ずと言っていいほど、「帳簿書類等を預かりたい」と、
預り証と引き換えに書類等を持ち帰る。
持ち帰った後は、帳簿調査と平行して、その帳票類から資料収集を行う。
・取引日時
・決済方法
・金額
・その他参考となる事項
などが、資料として収集される。
これらの収集された資料はその調査担当者や、キーパンチャーによりパソコンに入力される。。。
そこで、怖いのがそのキーパンチミス等の入力ミス。
資料を活用する調査官はその資料が正しいものだと信用してしまっているから、なお始末が悪い。
例えば、銀行の口座番号や、ひどい場合は、取引のない銀行が取引先銀行として
記載されたりする。
その際調査先ではこんな会話が繰り広げられる、、、
調査官:銀行取引はどちらの銀行ですか?
納税者:○○銀行と、▲×銀行です。
調査官:(おかしいな、■○銀行がない。公表外銀行か!?)本当に、その2行だけですか?
納税者:はい。・・・??
調査官:社長、税務署を試すようなことはしてませんか?
納税者:は?
調査官:■○銀行と取引があるという資料があるのですが。
納税者:そんなはずはない!!
調査官:わかりました。こちらで調べさせて頂きます。
また、ひどい場合は金額が一桁多い資料なども存在し、選定の段階で、
担当者A:この会社売上圧縮してるんじゃないでしょうか?
担当者B:う~ん、、確かにこの資料からいくと、その可能性はあるな。
担当者A:では、確認のため、調査対象としますか?
担当者B:よし、そうしよう。資産取得もあるしな。。
ということになる。
もちろん、調査担当者は現場で赤っ恥をかき、
資料を収集した担当者にあきれかえって、
調査を打ち切ることになるのである。。。