さて、税務調査の思い出話も3週にわたって探聞資料に関する出話をしてきた。
先々に展開して行きたいことが色々とあるので
探聞資料編はいったん今週までとし、来週からは資料情報に関して書き綴って行きたい。
そして、探聞資料のラストに選んだ思い出話は、「喫茶店の世間話」である。
調査官も人の子、お腹も減れば喉も渇く。
調査の段取りの兼ね合いで、昼過ぎの喫茶店に遅めの昼食を、、、、
ランチを注文し、
スポーツ新聞に目を通し、
ランチが配膳され箸を進めていると、
隣のテーブルの話題がふと耳に入った、
・・・・・・は、・・・税金・・・
脱税・・・・、・・・
どうやら税金の話題らしい、
が、「脱税」とは穏やかでない。
耳をダンボ状態にし、
よくよく話を聞いてみると、
どうやら「税金を納めたことがない」という自慢話のようである。
話を要約すると、
飲食店を経営しており、
売上は半分で申告、
仕入は現金仕入で圧縮し、
除外した利益は、
○○信金に借名口座でプールしている、
とのことである。
よくも白昼堂々と調査官の前で手口を披露すものだと感心したが、
メモを取るわけにもいかないので、脳内のメモリーにインプット。
そ知らぬ顔をし、駐車場へ引き上げ、
駐車車両のナンバープレートを片っ端から控え、
噂の主(以降A氏とする)が登場するのを待つ。。
待つこと15分。
A氏は、自分の車に乗り立ち去った。。
A氏の所有する車両が特定できたため、
署に帰り、その車両から人物を特定し、
職業や、屋号、過去の調査事績まで調べ、
探聞資料化。。
この探聞資料は、、、
仮に、A氏の「自慢話」が誇張や架空であっても
あくまで、耳にしたことを資料化しただけのことであり
次回調査時に、その可能性も視野に入れて調査を
進めるという活用の仕方になる。
が、万一これが真実であった場合、
本人は何故バレたのか、想像もつかないのである。。