次に事業計画である。
「自分の事業計画はどんなに厳しく見積もっても甘いと心がけよ」
「予算は自己の見立てより売上半分・経費倍と心得よ」
「自己の努力のみで成しうる事は計画通り進むが、他者の協力が必要な事は計画通り進まぬと心得よ」
であるが、
経営者、いや、起業しようとする人間は往々にして、「稼ぐ能力」のある人である。
しかし、「稼ぐ仕組みを持っている企業を創り上げた人」でないことが多い。
いったん起業すると、稼ぐ以外に色々なことを切り盛りしていかなければいけない。
税務・会計はもとより、人事や財務など、、、
この経験がなければ
税務署や労働基準監督署に大目玉を食らったり
未払残業の請求を受けたり
資金繰に窮して、金融機関巡りをしたり
と、稼ぐ以外の間接業務が非常に重要であることに、起業して初めて気付く。
田端はさすがに税務署に大目玉を食らったことはないが、
その他に関しては、ある程度経験する羽目になってしまった。
何が言いたいかというと、
それらの「売上を上げる行為」以外の諸業務があれば結局、売上は思ったように上がらなくなり
また、思ってもない経費や人件費が発生し、結局当初絵に描いていた「事業計画」は
半値八掛二割引となってしまうものである。
ずっと、ピンでやっていくならまだしも、稼げる人は前述の間接業務を人に振りたがるもの
である。
そうなると、「組織形成」という未体験ゾーンに突入するのである。
結局、どんなに腕に覚えがある人間でも、自分の思い通りにはまず行かないのである。
特に、昨今の厳しい経済情勢の中では、10人中9人まではその実感はあるのではないか、
と思う。
また、創業後しばらくその経験がなくても、その先に待っている可能性は大である。
思い通りに行かないことを前提とし、「決してあせるべからず」である。
あせりが更なる「負のスパイラル」を引き起こすのである。
だからこその3つの心得を、これから起業する経営者予備軍に贈りたい。
つづく。