今回はサンコーのオッチャンではない。

正確に言うとフコクのオバチャンである。
税務署に勤めていた時に、税務署に出入りしていた生命保険の外交員の
おばちゃんである。
詳しい話は端折るが、田端とその当時の奈良税務署の若者職員は
足を向けて寝れないぐらいの恩がある人なのである。
しかし、、、
若かりし頃の田端は貧乏であった。
(今でも貧乏ですが、、)
お世話になったという認識は強く持っていたが、
そのおばちゃんのお世話になって加入した生命保険を解約したのである。
普通はなかなかできない、恩人に仇を返すということをしてしまったのである。
しかし、田端も人間である。
いつか必ず、「もう一度あのおばちゃんのお世話になろう」と心に期していたのであるが
税務署を退官し、日々の業務に忙殺され、、、、そう心に誓ってから十数年が経過していた。
一日たりとも忘れない、なんて嘘っぽいことは言わない。
しかし、たまには思い出して、
「まだ元気かなぁ??」
「まさかもう死んでたりしてへんよなぁ??」
などと、無駄にも等しいことを考えていた。
ところが、、、
先日(最近めったに鳴らない)プライベート用の携帯電話が不意に鳴った。
「誰やろう??」
と表示を確認したら、フコクのオバチャンであった。
十数年ぶりに声を聞いたが、変わらず元気でとても嬉しかった。
オバチャンの都合もあるんじゃないかと察したので、急きょ会うことにし
「手ぶらできたらあかんで」
とオバチャンに伝えておいた。
まだ医師面談と押印は済ませてないが、十数年間心に刺さっていた
クサビが間もなく取れそうである。
まだ、「恩返し」はできずとも、クサビぐらいは、、、
義理を大事にしたいという思いが少しかなえられた一日であった。