「即戦力」

経営者にとっては甘味な響きである。

合流後すぐ頭数に入れることができ、結果も期待できるなんて素晴らしいと思う。巨人やソフトバンクのエースを引き抜くようなものである。

それは優勝も見込めるし、観客動員も見込めるので経営側としては鼻息も荒くなる。

しかし、田端は即戦力という言葉はもう10年近く前に封印した。

ドクター税務会計事務所は税理士事務所としては後発組なので

①物理的距離があっても正確かつ税務署をはじめとした各種利害関係者に信用される試算表や決算書を提供できる

②フルオーダーメイドかつ離れていても「先回り」で安心感をお客様に与える

③上記①②をITをフル活用してより効率的に実現する

ということをミッション・前提として広いエリアにサービスを提供してきた。      

このような既存の税理士事務所にない「概念」ややり方であるため、どこの会計事務所で活躍していても弊所で働く事となった場合は、事務所の書類などの保存方法等や属人化防止、ペーパレス化などの多岐にわたるルールを覚えてもらう必要がある。恐らくそれを覚え慣れるのに数カ月は最低かかるであろう。

さらに、最低でもダブルチェックを行い、月次や決算の「やり方」まで詳細に決められているので「腕に覚えがあればある人材ほど」ドクター税務会計事務所に居るのは普通は歯がゆいのである。

よほど「なるほど」「これだ」とドクターのやり方を見て思わない限り居続けてもらえないのが現状である。

そういう経験をした結果、田端は即戦力という言葉を封印したのである。

それらの下積みに耐えられずある時には

「アホの言う事しか聞かんアホの下では働けん」

という必死に関わってくれる仲間をアホ扱いする暴言を吐いたスタッフもいたのでその時はさすがに即日解雇したこともある。

話を戻そう。

ドクター税務会計事務は「作業を提供する税務会計事務所」を目指しているのではない。

経営者の悩みを解決できる税務会計事務所を目指している。

その中心となるのが試算表であり、試算表は経営分析や金融機関等の与信調査など多岐にわたって使われるため、それをいかにお客様のニーズに合った正確な物を物理的な距離を超えて迅速に提供できるか、という工夫の塊の様な事務所なのである。

 

なので、即戦力という言葉は誰に対しても使わないし使えない。

多分、田端もドクター税務会計事務所に今から入社したとするならば、即戦力扱いされても相当苦労するだろうと自分で思う。

先月よりハローワークにて採用活動を再開したことにあたり、応募を検討している人がこのブログを見ることを想定し、念のため「即戦力」という事に関してここで触れておきたい。

そして、応募して下さる心意気の有る方には、「一から気楽に真剣に」と応募して欲しい。