今週からしばらくの間、田端の思い出話を書き綴って行きたいと思う。
調査を受ける際の納税者の緊張は計り知れないものがあるが、
実は調査官もかなり緊張しており、時には逃げ出したくなることもあるのである。
・調査初任者の時
・長く調査の現場を離れており、久しぶりに税務調査を行う時
・通知なしで税務調査を行う時
などは特に緊張をするシチュエーションである。
調査初任者の頃、ある事案で、「通知なし」の調査に着手した時のことである。。。
田端「○▲税務署の田端と申します」
納税者の妻:「?! い、今主人は出かけております!!」
調査の趣旨を説明し、正当な理由がない限り調査は拒めないことを説明し、
店舗裏の事務室へ通してもらった。
奥さんとしばらく世間話をし、15分から20分ほど経過した頃、背後から、、、
納税者:「なんや?!おまえら!!」
という野太い声がした。
振り向くと、身の丈190センチ強、体重はゆうに140㎏はあろうかという、
アンドレ・ザ・ジャイアント似の強面の大男(=納税者)が入ってきた。。
咄嗟に逃げ出したくなったが、そういう訳にもいかないので必死に調査の趣旨を説明をし、
事なきを得たが、
汗は出るは、足は震えるは、記憶も断片的にしかない状況で喉はカラカラ・・・
心臓の鼓動も良く聞こえていたのを記憶している。
調査するその業種のイメージで、先に調査対象者のイメージを勝手に作り勝ちだが、
あまりにもイメージが違い、虚をつかれた形となったのである。。。
田端がまだ20代の半ばの頃の苦い思い出である。