田端が税務調査で東奔西走していた時の話である。
とある、居酒屋へ調査に行った時のことである。
毎年1千万円以上の赤字を出しているにもかかわらず
不動産の取得など、申告額と資料内容に大きな開きが
あったため、調査に着手した。
売上伝票のチェック、仕入先の把握、従業員の数や
その役割などなど、入念に聞き取りを行っていった。
やがて午後になり、いよいよ売上の精査作業を開始。
しかし、見れば見るほどずさんな処理である。
売上伝票には連番はなく、レジスターによる過去の売上記録の保管もなく、
 
残っている伝票=申告売上額
 
といった状況であった。
 
しかし、調査官はこの伝票=全て売上であるかどうかを確認する必要がある。
 
やむを得ず、仕入との対比を開始した。
通常、飲食店の場合、ビールの仕入数量と売上数量を一定期間対比検討をする。
 
          ・・・・・・
 
対比検討の結果
売上の数倍のビール仕入があることが判明、、、
 
概況聞き取りの際の話では、
 
社長やその親族は「自家消費」しないということであるし
お客様への「サービス」基本的にしないとのこと。
 
どう考えてもおかしいので、社長を問い詰めた。。
 
納税者:「い、いや、本当はサービスしてるんです」
 
田端 :「では、なんですか?毎晩力士にでもサービスしてるんですか?」
 
納税者:「いや、そんなことは。。」
      「でもロスがあるんです。」
 
田端 :「これだけの開差、毎日床に撒いてるんですか?」
     「売上伝票、これで全てじゃないですよね?!」
 
納税者:「はい。。。」
 
税務調査の基本の「ヒト・カネ・モノ」の内モノから追求した時のことである。
次回も飲食店編をお送りします。