前編の続きである。
田端:「社長、まあ、そうおっしゃらずに確認させて下さい。」
社長:「見せたないもの入ってるんやから見せたない!!」
田端:「見せたくないものですか?」
   ・・・・・・・
調査官は「見せたくない」と言われると逆に「どうしても見なければならない」と
反射的に思ってしまう悲しい人種である。
田端:「社長、見られるとまずいものですか?」
社長:「まずないけど、見られたくないもんや。私物や私物!!」
田端:「我々は、守秘義務がございます。社長のおっしゃるとおり
     私物であれば、口外しませんので拝見できませんか?」
社長:「・・・」
田端:「こちらのお部屋は、事務室としても使用されておりますので、是非とも確認させて下さい。」
   
    「なぜかと申しますと、現在調査しております帳票類には信憑性が乏しいため・・・(後略)」
と張り詰めた空気の中、説得を繰り返すこと、小一時間。
社長:「わかった。そこまで言うんやったら見せたるわ」
と、社長は自らの手で、そのサイドボードにある引き出しを開け始めた。
・・・
中から出てきたのは、使用済み領収書控・請求書控と、アダルトビデオ数本・・・。
田端:「社長、これは私物なので結構です。」
    「こちらの書類は?」
社長:「・・・」
と、小口売上に係る帳票類を把握したものの、
本当に私物も保管されており、社長の頑強な抵抗の理由が理解できた。。。
ちなみに、出てきた帳票類は不正の類ではなく、進行年度の使用済み帳票であった。
これは、レアケースではない。
結構、何気なく「私物」を机の引き出しや、キャビネットの中に保管しているものである。
調査官は、「抵抗」されると、使命感に燃えるので、
見られたくない「私物」の類は、ケジメをつけて他の場所に保管しましょう。。