いよいよ税務調査最盛期を迎えているが、今回からはその調査官の「苦悩」を
少しお伝えしたいと思う。
まずは、調査官の『私生活』についてだが、
調査官は、国家公務員であり、そこそこの収入と安定を兼ね備えた職業である。
よく調査の際に「おたくら公務員はええなぁ」と納税者からチクリとされた記憶は枚挙に暇が無い。
しかし、そんな調査官にも少なからず苦悩はある。
もっとも、世間の経営者の抱える苦悩と比べれば苦悩と呼べない
ものとは思うが、調査官=人間を知って欲しいと思うのであえて、アップしてみた。
まず、公務員=贈収賄のターゲットであり、
国民全てが関わる「税」の公務員である調査官は全ての国民と間接的・直接的に利害関係がある。
そのため、、、
・身分は極力明かさない
・自宅に届いた中元歳暮の類はむやみやたらと開封しない
・電話帳に電話番号を載せない
などと、自ずと私生活に様々な制約が生じる。
身分を公にすると途端に色眼鏡で見られたり、
場合によっては相談を持ち掛けられたりもするのである。
身分をあかせないので、家電量販店に買い物に行きポイントカードを作成する際には
職業欄に「公務員」と抽象的なものを記載する。
しかし、このケースはまだましな方である。
過去に元同僚が名乗ったと聞いたことのある職業は、、
「コピー機リース会社の社員」
「不動産会社社員」
「消防士」
「飲食店経営」
「無職」
などなど、各自好き勝手に架空職業を記載するのである。
それだけみんな「税務職員」であることをあかそうとしない。。
もちろんローン審査など、きちっと伝えなければいけない場合は、正確に記載するのであるが、、、
また、中元歳暮の類に関しては、その送り主が「利害関係者」である場合は、
収賄になる可能性がある。
稀にある話であるが、調査官が勤務中の昼間に自宅へクッキーの詰め合わせが届けられ、
帰宅した際には既に「開封済み」であるケース。
送り主を確認し、冷や汗を流しながら、あわてて同じものを買い直し先方に返却するのである。
配偶者や子供を含めた家族の教育が「肝要」だと常々組織内では教育されるのである。。
続いて、調査官の『身の危険編』についてだが、
マルサの女をご覧になられた方は、少しはピンと来るかも知れないが、
意外と税務調査は危険が多い。
そもそも、税務行政に一定の理解しておられる納税者には税務調査は縁遠い(はず)。
やはり、税務調査も「虎穴に入らずんば虎児を得ず」であり
かなり怪しい納税者を調査することもしばしばである。
右翼や、元暴○団員といった話も枚挙に暇がない。
中には、現役の暴○団に調査をしたことがあるという強者もいる。
そういう納税者を調査して身の危険はないのか?と
素朴な疑問が当然出てくるが、以下は先輩等から教えられた護身?法である。
電話帳に電話番号を載せるな
・・・自宅を特定されないため
自宅には真っ直ぐ帰るな
・・・尾行され、自宅の場所を把握されないため
ホームの一番前に立つな
・・・(苦笑)説明不要でしょう
などなど、数え上げればまだまだあるが、
調査官はそれなりにアフターファイブも気が抜けないこと事実なのである。
次回は、実体験!!田端の ~身の危険?!~ 編です。