税務調査も色々シリーズも4回目となるが、今回は「機動官」について説明したいと思う。
機動官という名称が、そもそもわかりにくいものであるがおおざっぱに言ってしまうと、
ひとつの署に縛られず、ブロック単位で資料収集や、調査を行う仕事を主に行う調査官のことである。
経済活動としてはごく当たり前のことであるが、A法人はA税務署管轄であり、B法人(A法人の子会社)
はB税務署の管轄、H法人(A法人の子会社)はH税務署の管轄といった場合がある。
この場合はそれぞれの署が連携を取って動かなければ法律上、調査が出来ないケースがある。
また、複数の署で共同して調査した場合、複数の指揮系統下では、非常に動き辛く、また、
展開も鈍くなる。
そこで、A~H署全ての質問検査権を持った調査官の存在が必要となってくる。
それが「機動官」である。
機動官は税務職員の身分証明書はA署一枚だけであるが、質問検査証はA~H署分合計8署分
持っているといった広範囲の調査が可能な身分である。
国税局はその管轄内をブロック化し、各ブロックの中で一番大規模な署などに機動官を配置している。
機動官はそのブロック内の各税務署の数ある納税者の中から「広範囲かつ大口・高額もしくは悪質な納税者」
をピックアップし、優先的に調査するのが仕事である。
B税務署の管轄の納税者に、ある日突然「A税務署の○○と申します」と、まったく管轄外の税務署の
調査官が調査に来た場合は、このパターンが考えられる。
では、機動官のお手並みはいかがなものか??
一概には言えないが、
資料調査課>機動官>特別調査班
といった図式が当てはまる。
機動官は、ブロック内の各署の特調班と共同して動くが、
その事案の主担当者は機動官、副担当者は特別調査班といった形から見ても言えることである。
もちろん、機動官は資料調査課のOBや、マルサのOBもしくはそれらのタマゴで構成されており、
そのポテンシャルたるや、資料調査課と基本的に変わらない。。。
次回は一般調査を解説します。